2015 ラグビー日本代表

 ラグビーファンの中では「ジャパン」と呼ばれる。

 ファーストジャージーのデザインは,赤に白の横線,胸に桜のエンブレムから,海外で

「チェリーブロッサムズ」「ブレイブブロッサムズ」「ブロッサムズ」と称されていた。国内では,桜のジャージと呼ばれる。ジャパンが初めて結成された時のエンブレムは,桜がまだ蕾だった。                     (wikipediaより)

1 エディー・ジョーンズ

   日本代表ヘッドコーチ(HC)。母親は日系アメリカ人2世。妻は日本人。

   ワールドカップでは監督やコーチとして手腕をふるってきた。

   2003年W杯オーストラリア大会では,オーストラリア代表のヘッドコーチ(HC)

  として準優勝を果たす(決勝ではイングランドに延長戦の末惜敗)。

   2007年のW杯フランス大会では,南アフリカ代表のチームアドバイザーとして優勝

  を果たした。世界屈指の監督である。


   日本での指導者としての経験は,1995年に東海大学体育会ラグビーフットボール部

  の青森合宿に参加するために初来日。翌1996年に同部のコーチに就任する。つまり,

  ラグビー指導者の始発点は日本である。尚,同年日本代表フォワードコーチを兼任。


   1997年4月からサントリーサンゴリアスフォワードコーチに就任。しかし,同年9月

  にスーパーラグビーACTブランビーズヘッドコーチに就任。同チームを2001年のスー

  パーファイナル12で初タイトルを獲得する。オーストラリアのラグビーチームでは初

  となるリーグ制覇を達成する。

   1999年には,オーストラリアン・バーバリアンズのコーチを務める。


   2001年には,オーストラリア代表HCに就任。2003年のW杯で準優勝を果たす。

   2007年レッズのHCに就任するが,成績不振により酷評を受ける。

   しかし,2007年ラグビー南アフリカ共和国代表チームアドバイザーに就任。同年の

  W杯で,同チームの優勝に貢献する。

   2008-2009シーズンは,イングランドのサラセンズHCに就任。


   2009-2010シーズンは,ジャパンラグビートップチームのサントリーサンゴリアス

  GM兼監督として日本選手権優勝。

   2011-2012シーズンはトップリーグと日本選手権の2冠を達成する。外国人指導者

  としては初となるリーグ制覇を達成。


   2011年12月にラグビー日本代表HCに内定。        (wikipediaより)

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2 日本代表メンバー

   RWC2015の日本代表第四次候補選手計39名は以下の通りです。

  ■FW:22名
   アイブス・ジャスティン 伊藤鐘史 稲垣啓太 宇佐美和彦 大野 均

   垣永真之介 木津武士 ツイ・ヘンドリック トンプソン ルーク 畠山健介

   平島久照 マイケル・ブロードハースト ヘイデン・ホップグッド

   ホラニ龍コリニアシ 堀江翔太 真壁伸弥 アマナキ・レレイ・マフィ

   三上正貴 村田 毅 山下裕史 湯原祐希 リーチ マイケル

  ■BK:17名
   クレイグ・ウィング 内田啓介 小野晃征 五郎丸 歩 マレ・サウ 立川理道
   田中史朗 田村 優 廣瀬俊朗 日和佐篤 福岡堅樹 藤田慶和

   カーン・ヘスケス ティム・ベネット 松島幸太朗 山田章仁 山中亮平

  みなさんで応援しましょう!

3 私が勝手に決めている

  エディー・ジャパンHCのキーワード

 

 (1)ジャパン・ウェイ

     シェイプ(連動した攻撃で相手守備を崩すこと)を重ね,相手ディフェンスを

    崩し,トライを奪う高速展開の戦法。「日本流」と訳されます。

 

 (2)アタッキングラグビー

     ディフェンスがどんな動きをしていても,それに合わせてアタックする場所を

    変えられるラグビーのことです。

 

 (3)S&C

     Sとは「ストレングス」,Cとは「コンディショニング」をさします。

     「調整」よりも「最適化」の意味合いが強いといわれています。

     世界と戦える筋肉をつくりあげ,それを最高のパフォーマンスで発揮できるよ

    うな取り組みを行っています。

     具体的には,ウェイトトレーニング+アジリティ(敏捷性)+スプリント練習

    を行うことです。

     通常は,筋肥大化に伴い,体が重くなり敏捷性が落ちます。そうならないよう

    に敏捷性を高めるためのトレーニングを並行して行うのです。

     日本代表は,朝5時半からS&Cを行っているということです。

 

 (4)アーリーキャッチ,アーリーパス

     「パスは腕を伸ばして前で捕る。早く捕ると判断に余裕ができる」ということ

    なのです。

 

 (5)ハードワーク

     負荷の大きい練習のこと。

     エディ・ジョーンズHCは「オフ・ザ・フィールドでもハードワークを」と話

    すことがあります。

 

 (6)ブレイクダウンとリロード

     ブレイクダウンとは,日本語では「接点」と訳されます。

     ボールを持った選手がタックルを受けると,そこに攻守ともに複数の選手が

    密集しボールを奪い合う状態になります。

 

     そこかパスが出されると,そのブレイクダウンは終了となります。パスを受け

    た選手がタックルされると新たなブレイクダウンが生まれることになります。

     攻撃側はなるべく早いテンポでボールを出すことが重要です。

 

     なぜなら守備側の態勢が整わないうちに攻撃を行うことができるからです。

     また,少ない人数でボールを出せれば,より多くの人数でパスを繋いで攻めら

    れます。つまり「守備側に比べて人数が余っている」という状態になります。そ

    うするとトライが生まれる可能性が高くなるのです。

 

     反対に,守備側がブレイクダウン後にボールを奪うと,一気にチャンスとなり

    ます。攻撃側は,攻める布陣を敷いており,急に防御の態勢をとることができな

    いからです。

 

     そこで「リロード」が重要になります。「リロード」とは「素早く立ち上が

    り,次のプレーに移ること」です。

     リロードが優れていれば,攻撃参加も守備参加も素早くできます。

 

 (7)ジャッカル

     ジャッカルとは「タックルで横たわったボールを持っていた選手に体を覆いか

    ぶせ,ボールに手をかけて取ることです。

     ジャッカルの利点は,1人でもボールを奪えることです。残り14人の攻撃参

    加が可能になります。

 

 (8)スイープ(オーバー,クリーンアウト)

     タックルを受けた選手の上で,相手と組み合ってボールの位置を越えるまで押

    すことです。

 

     いちばん早くオーバーしやすいのは.タックルをした選手です。

     タックルされた選手(攻撃側)は,身動きがとれません。

 

     タックルした選手(防御側)が素早くボールに仕掛ければ,攻守が入れ替わる

    可能性が高くなります。

     ボールが奪えなくても防御側の一人でもボールを越えれば,攻撃側はより多く

    の人数をかけて押し返さなければならなくなります。

     そのうえボールを出す時間もかかります。

     つまり攻撃側は攻撃参加の人数が減るうえに攻撃の展開が遅くなるのです。

     こうなると防御側は落ち着いて対応できることになります。

 

     ジャッカルと違う点は,一人でボールを奪うことは困難だという点です。

     相手が複数でオーバーしてくれば押し返されてしまいます。

     そこで防御側は,ボールを越えた選手を腕で抱きかかえて体を寄せて一緒に押

    す(パックする)選手がいればボールを奪えると考えます。

     一緒に押す選手が2,3人いればボールを奪える確率が高くなるのです。

 

     タックルした選手の次に早く動ける選手は、2番目にタックルした選手です。

     つまりダブルタックルした選手です。

     ダブルタックルの選手は,最初にタックルする選手が相手の腰および脚にタッ

    クルしたあとで上半身にタックルし,ボールコントロールを容易にさせないよう

    にします。

 

     ここまでくると分かると思いますが,攻撃側も防御側もできるだけ前に出るこ

    とができる(接点を前にする)かが重要になります。

     防御側はダブルタックルで前に出ようとします。

     それに対し,攻撃側も前に出ようとする。

     防御側の「ダブルタックル」に対抗し,攻撃側は「ハンマー」を使い,少しで

    も前に出ようとするのです。

 

 (9)ハンマー

     防御側のダブルタックルに対抗するためには,攻撃側も同様に人数をかけて少

    しでも前に出よう(ゲインしよう)とします。

     例えば,ボールを持った選手が相手に右肩で当たろうとする場合,当然ボール

    は左腕で持ちます。

     そこへ攻撃側の2人目の選手がボールを覆い隠すようにし,体を当てて前進を

    すれば,ジャッカルされる隙もなくなります。

 

     防御側は,1人目がタックルして2人目がダブルタックルに入ります。

     それに対し攻撃側は,1人目が当たって2人目がハンマーを行います。

     つまり,この2対2までの戦いで,接点がどちらに動くかがラグビーのおもし

    ろさなのです。

 

     接点での戦いにはパワーが大事です。

     しかし,2人目が速く接点に到達することで,勢いよく体を当てることがで

    き,前へ動かしたほうが優位な展開に持ち込むことができるのです。

 

 (10)スマートラグビー

 

 (11)セットプレーとアタックの相互関係

     セットプレーの代表は,スクラムとラインアウトです。

     攻撃を有利に展開させるには,セットプレーで少しでも前に押し込むことが大

    切です。前進の原理は,セットプレーから始まると言われています。

 

     セットプレーからいいボールが出れば,優れたアタックができます。

     優れたアタックの場合,最初にボールを手にした選手が相手選手を2人,3人

    とかわして試合を展開させることができやすい状況になります。

     それに加え,その選手のサポートがいればかなりの前進となります。

 

     優れたセットプレーは優れたアタックにつながりますが,防御側にとっては攻

    撃に転じる方法を狭められることになります。

     つまり,攻撃側のアタックが優れている場合,防御側は不用意なキックができ

    なくなります。キックをするということは,相手にボールを楽々と渡してしまう

    ことになるのです。

 

 (12)フィジカル,ストレングス,セットピース

     「フィジカルが強い」というのは,「肉体が強い」すなわち「相手に激しく当

    たられても転んだりバランスを崩したりしないような体の強さをもっている」と

    いうことです。

 

     「ストレングス」とは,筋力やパワー,筋持久力だけではなく,スピード,パ

    ワー,コーディネーション等の筋機能が関係する全体力の要素に不可欠な能のこ

    とです。

 

     「セットピース」とは,ラインアウト,スクラム,キックオフなどの止まった

    ところから始めるプレーを指します。「セットプレー」のことです。