❝北の鉄人❞  新日鐵釜石

新日鐵釜石の歴史について,いくつかを紹介します。

❝北の鉄人❞ 新日鐵釜石のV7

第22回ラグビー日本選手権

対同志社大学-チームワークの真髄をみせた見事な後半の攻撃

 同大の若さあふれる投資と気迫は、さすが学生チャンピオン。日本一を競うにふさわしい一戦となった。

 前半3分、同大に22メートルのラックから左オープンに責められ先取点を許し、8分、金野のPGで3-4と詰め寄ったのも束の間、23分にはラインアウトから攻められ、トライを許し、またも33分には同大平尾に末のお株を奪うようなPGを決められ、6-13と差をつけられた。

 「どうした釜石」「いや大丈夫だ」前夜遅く釜石からバス・列車を連ね駆けつけた。三千人を越す応援団席も意外な釜石の劣勢、同大の善戦に一瞬沈黙、六万二千人の大観衆をのみ込んだ国立競技場のマンモススタンドは異様なムードに包まれた。

 しかし地力に勝る釜石は、36分、フルバック谷藤の突進から右に振って小林(日)がトライ。ゴールも決めて12-13とし、1点差で勝負を後半に持ち込んだ。

 釜石は甦った。後半に入り、釜石FWは、同大FWを押しまくり、相手ボールを続けて獲得し、主導権を握り、受け身になった同大の反則を誘い、28メートルのPGを金野が決め、15-13と逆転すると、応援団席は一気に燃え上がり「カマイシ!カマイシ!」の大コール。五色のテープ、紙吹雪が大観衆の頭上に舞った。

 これを機に試合の流れは釜石へ。19分、松尾が相手マークを寄せつけて鮮やかなステップで永岡へパス。永岡はそのまま右スミにトライ、またも27分、氏家のトライで27-13と点差を広げた。

 同大も最後まで試合を捨てなかった。33分闘牛のように激しいダッシュで突っ込むロック大八木に右スミにを奪われたが、相手の反撃もそれまで。39分には、釜石のお家芸、鮮やかな松尾のサインプレーで千田がゴールのど真ん中へ飛び込み、ゴールも決めて31-17と引き離したところでノーサイドの笛。七年連続八度目のラグビー日本一に輝いた。

          「V7連覇 ラグビー日本一」(1985 釜石製鐵所)より


※V1からV7までの軌跡については,釜石市HP内の「ラグビー日本一」で紹介

 されています。